革命のエチュードといえば、ピアノを弾く方なら一度はあこがれる曲の1つなのではないでしょうか。
この記事では、革命のエチュードについて難易度や作曲の背景などについて解説しています。
衝撃的なイントロに始まり、流れるような伴奏の上で跳ねるようなメロディーが大変印象的な曲でもあります。
学生時代にピアノの上手な友人が弾いていて「すごいな~」と思った曲でもあります。
左手が自在に動く様子が見たくて何度もリクエストして弾いてもらったものです。
革命のエチュード解説!
革命のエチュードについて解説します!
革命のエチュードの作曲者はショパン
革命のエチュードは、「ピアノの詩人」とも呼ばれたポーランドの作曲家でありピアニストでもあるフレデリック・ショパンによって作曲されました。
「エチュード」というのは「練習曲」という意味でして、革命のエチュードもショパンが自身のために作曲した練習曲のうちの1つとされています。
ショパンは作品10と25でそれぞれ12曲ずつ、また作品番号のない練習曲を3曲、合計27曲もの練習曲を作曲しています。
革命のエチュードは作品10の中の12番目に位置づけられている曲です。
「革命」という名はショパン本人がつけたわけではないという説もあります。
ショパンが革命のエチュードを作曲したころ、ショパンの祖国ポーランドの首都であるワルシャワはロシアに侵攻されていました。
このロシア侵攻に対する怒りの感情をぶつけた曲の1つであるとも言われています。
ポーランドはロシアに対し革命を起こしますが、これは失敗に終わっていますので、そのような時代背景と激しい曲調も相まって「革命のエチュード」と呼ばれるようになったのではないでしょうか。
革命のエチュードは衝撃的な和音で始まり、すぐに左手が細かい音で下降していきます。
和音が3回鳴った後、右手と左手がオクターブのユニゾン(同じ音を演奏すること)で下降、左手の流れるような伴奏に乗って右手がオクターブで有名なメロディーを奏でます。
メロディーは繰り返されますが、2回目は少しトリッキーなリズムののちに一瞬長調に展開します。
音が少しずつ下がった後音を上げながらリズムを繰り返し、クライマックスを迎えます。
クライマックスから冒頭を思い出すような音の流れになった後に有名なメロディーが戻ってきますが、今度は音の数が増えています。
長調に転じた後一瞬静かになりますが、冒頭の右手左手オクターブのユニゾンで下降した後、4つ和音が鳴って曲が締まります。
演奏の速さにもよりますが、曲の長さは2分30秒から3分といったところです。
ショパン 革命のエチュード 難易度は?
全音楽譜出版社が発行している全音ピアノピース(曲単位で買うことができるピアノの楽譜)では、やさしい順にA~Fの難易度が曲に設定されています。
この分類上では、ショパンの革命のエチュードは最高難度のF(上級の上)に位置付けられています。
全音ピアノピースサイト » 難易度から探す F(上級上) (pianopiece.jp)
ちなみに難易度Fには同じくショパンの英雄ポロネーズ、別れの曲、黒鍵のエチュードなどもラインナップされています。
ショパンの英雄ポロネーズについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
ショパンの別れの曲についてはこちらの記事もどうぞ!
革命のエチュード、やはりそうだと思っていましたが最高難易度設定です。具体的にどんなところが難易度が高いとされるポイントなのでしょうか。
演奏に実際に挑戦してみた方のお話や楽譜、曲を聴いた感じなどから難易度ポイントを3点ほどまとめてみました。
- 左手がずっと速いパッセージを弾きっぱなし
革命のエチュードは、左手のための練習曲としてショパンが作曲しています。
そのため、左手で速いパッセージを滑らかに弾き続ける必要があります。
左利きだと多少は違うのでしょうか……? - 右手は右手でオクターブ満載か速いパッセージのどちらか
左手は速いパッセージだらけだけど右手は楽……などということはなく、オクターブでメロディーを弾いたり左手と一緒に速いパッセージを弾いているかどちらかです。 - 臨時記号がたくさんある
曲そのものはハ短調・調号はフラット3つで書かれています。
これだけでもまあまあ多いかな……という感じなのですが、更にシャープやダブルシャープ、フラットにナチュラルと臨時記号が盛りだくさんです。
ショパン 革命のエチュード どんな楽譜?
ショパンの革命のエチュードですが、著作権が切れておりパブリックドメインとなっていることからインターネット上に無料で楽譜が公開されています。(もちろん合法ですのでご安心ください!)
【無料楽譜】エチュード ハ短調 Op.10 No.12『革命』 | フリーショパン (freechopin.com)
実際に練習する時は書き込み等もできるので紙の楽譜を手に入れた方がいいと思いますが、弾けそうかどうか試しに見てみるのにはとても便利な世の中になったものです。
……というわけで楽譜を見てみました。
引用元:【無料楽譜】エチュード ハ短調 Op.10 No.12『革命』 | フリーショパン (freechopin.com)
右手はそうでもないのですが、左手の楽譜は細かい音や臨時記号が多くて真っ黒ですね……。
これは有名な曲あるあると言っても言い過ぎではないと思うのですが、ショパンの革命のエチュードのようにみんながよく知っている曲って「聴いたことあるように弾けているのが普通」になってしまうので、ちょっとでもうまく弾けてないと「なんか下手くそかも……?」ってなってしまうんですよね。
革命のエチュード 中学生でも弾ける?
ショパンの革命のエチュードは、楽譜の黒さもさることながらきちんと弾く・聴いたことのあるように演奏するのが難しい曲だなと感じました。
中学生でも弾けるかどうか、と問われますと、「まあ弾けなくはないけどたくさん練習する必要がある」といったところでしょうか。
楽譜の通りに弾くことができればある程度演奏としては成立すると思いますので、チャレンジしてみるのもありだと思います!
エチュード=練習曲とは思えない曲想の豊かさなので、チャレンジしてみる価値は十分にありますし、演奏会のプログラムなどでも取り上げられることが多い理由がよくわかりますね。
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