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プッチーニ ボエーム 井上道義最後のオペラ!意味とあらすじ

プッチーニ作曲のオペラ「ボエーム」
2024年12月で引退を表明されている井上道義さんが最後に取り上げた演目としても話題になっています。

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この記事では、プッチーニ作曲のオペラ「ボエーム」について、「ボエーム」という言葉の意味やオペラのあらすじについて紹介しています。

井上道義さんが最愛にして最後のオペラとして選んだ演目がプッチーニ作曲のオペラ「ボエーム」です。
ボエーム、耳慣れない言葉ですがいったいどういう意味なのか、また、オペラのお話はどのような内容なのか気になるところです。

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プッチーニ ボエーム 意味は?

プッチーニはイタリアの作曲家ですが、「ボエーム」というのはどうやらイタリア語ではないようです。

「ボエーム」は正確な表記にすると冠詞がついて「La Boheme」となります。
「La Boheme」はフランス語で、直接的にはボヘミア人=ボヘミアン という意味になります。

ボヘミアンとは、芸術家や作家、世間に背を向けた者などで、伝統や習慣にこだわらない自由奔放な生活をしている人のことを指しています。

なぜ、「ボヘミア人」という言葉がこのような意味に変わっていったのでしょうか。

15世紀にフランスに流入していたジプシーが、主にボヘミア地方(現在のチェコの西部・中部地方)からの民であったため、フランス語での「ボエミアン」という言葉が「ボヘミア人」から「ジプシー」の意味に変化していったとされています。

ここでいうジプシーとは、「ロマ」という北インド起源の移動型民族です。
ロマの多くがボヘミアからフランスにやってきたことから、フランス国内では「ボヘミア人」=流浪の人と考えられ、「ジプシー」という意味に転用されたようです。

また、19世紀の中ごろ、フランスの小説家アンリ・ミュルジェールが自身の作品『ボヘミアン生活の情景』の中で『「ボヘミアン」とは定職を持たない芸術家や作家、または世間に背を向けた者のことである』と宣言しました。
以降、ボヘミアンとは伝統的な暮らしや習慣にこだわらない自由奔放な生活をしている芸術家気質の若者を指す言葉となっていきました。

プッチーニのオペラ「ボエーム」は、『ボヘミアン生活の情景』を元に作曲されたオペラです。
19世紀のパリに住む芸術家気取りの人たちが自分たちを「ボヘミアン」と称していたことも作品の中に色濃く表れているのではないでしょうか。
ただ単に「ボエーム」を「ボヘミア人」と直訳してとらえてしまうと、オペラのお話がちょっと分からないことになってしまいますね……。

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プッチーニ オペラ「ボエーム」あらすじ

プッチーニ作曲のオペラ「ボエーム」のあらすじについて紹介していきます!

「ボエーム」は4幕から成るオペラであり、演奏時間は約1時間45分(第1幕:約35分・第2幕:約20分・第3幕:約25分・第4幕:約25分)です。

主な登場人物

オペラ「ボエーム」の主な登場人物は以下の通りです。
カッコ内は担当する声域です。

  • ミミ:お針子(ソプラノ)
  • ムゼッタ:歌手(ソプラノ)
  • ロドルフォ:詩人(テノール)
  • マルチェッロ:画家(バリトン)
  • ショナール:音楽家(バリトン)
  • コッリーネ:哲学者(バス)
  • ブノア:家主(バス)
  • アルチンドロ:参議員(バス)

ボエーム あらすじ:第1幕

舞台は1830年代、パリにあるボヘミアン仲間が暮らす屋根裏部屋です。

今日はクリスマス・イブ。
詩人ロドルフォと画家マルチェッロが寒さに耐えながら仕事をしています。
哲学者コッリーネは何も金になることがなかったとぼやいていますが、音楽家ショナールは意気揚々と食料・薪・煙草などを運ぶ従者とともに帰宅します。

皆食料に群がりますが、ショナールは「今日はクリスマスなのでカフェ・モミュスに行こう」と提案します。
家賃の催促に来た家主ブノアを皆で体よく追い出し、一同外へ繰り出します。

そんな中ロドルフォは「書き残しの原稿がある」と1人部屋に残っていると、カンテラの火を借りに来た隣に住むミミと出会い、恋に落ちます。

ボエーム あらすじ:第2幕

カフェ・モミュスで、ロドルフォとミミは友人たちと楽しい時間を過ごします。
そこへマルチェッロの元の恋人ムゼッタが、金持ちのパトロンであるアルチンドロとともにやってきます。
ムゼッタはしきりにマルチェッロを誘惑しようとしますが、マルチェッロはそれを意地でも無視しようとします。

ついにムゼッタは靴がきつくて足が痛いと騒ぎ出し、アルチンドロを靴屋へ修理に行かせてしまいます。
実はムゼッタへの想いを絶ちきれずにいたマルチェッロと邪魔者がいなくなったムゼッタは互いに抱き合います。

靴屋から戻ったアルチンドロには彼らの勘定書きだけが残されます。



ボエーム あらすじ:第3幕

翌年の2月。
ミミはマルチェッロにロドルフォとの関係がうまくいっていないことを打ち明けます。
一方ロドルフォは、ミミのことを問うマルチェッロに、彼女の病気が重く、自分と暮らしていては助からないので別れなくてはならないと打ち開けます。

ロドルフォの配慮を感じたミミはロドルフォに別れを告げます。
ロドルフォも彼女をいたわりつつ別れの言葉をかわします。

その一方、居酒屋のムゼッタの嬌声を聞いてマルチェッロが店に駆け込んできます。
彼は彼でムゼッタの奔放な性格に手こずっていたのです。
ロドルフォとミミの歌に並行して、居酒屋から出てきたムゼッタとマルチェッロが激しく言い争って喧嘩別れしていきます。

ボエーム あらすじ:第4幕

数か月後。
ロドルフォとマルチェッロは仕事に励みますが、別れた恋人たちのことを思い出してしまいます。

そこへムゼッタが血相を変えて駆け込んできます。
ミミと戸口までいっしょに来たが彼女は今そこで倒れた、というのです。
ムゼッタは、金持ちの所で世話になっていたミミが死ぬ前にひと目ロドルフォに会いたいというので連れて来たのです。

ミミはロドルフォ、仲間たちとの再会を喜びます。
彼女をベッドに寝かせると、ムゼッタ、マルチェッロ、コッリーネ、ショナールはそれぞれ部屋を出ていきます。

部屋にはロドルフォとミミの2人きりになります。
2人は出会いと幸せな暮らしのことを語りあいますが、ミミは再び気を失ってしまいます。
ロドルフォが声を出すと外で様子をうかがっていたショナールたちが駆け込んできます。
ムゼッタはミミの傍らで聖母マリアに祈りますが、ショナールがふとミミを見ると彼女はすでに息絶えていました。
そっと皆に知らせると、ロドルフォは周りのただならぬ様子に事態を察し、ミミの亡骸にすがりついて泣き伏すのでした。

 

なんとも切ないストーリーですね……お金さえあれば愛は叶うのか?と思わざるを得ません。
そんなストーリーがプッチーニの美しい音楽で奏でられるオペラ「ボエーム」、鑑賞の機会があるようでしたらぜひお楽しみいただければと思います!

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