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ドン・カルロ オペラのあらすじと感想を紹介

ドン・カルロというオペラをご存じでしょうか?

この記事では、ドン・カルロのオペラのあらすじと感想についてまとめています。

何かオペラを観ようと思っている方、ドン・カルロのオペラってどんなお話なの?など知りたい方のご参考になると思います。

私、ドン・カルロのオペラは鑑賞したこともオーケストラの一員として公演に参加したこともあります。

登場人物それぞれの思惑が絡み合う壮大なドラマが繰り広げられる名作といっていいと思います。

ちなみにオーケストラの中で演奏する方としては、ソリストとの数あるスリリングなやり取りがたまらない一曲でもあります。

 

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ドン・カルロはヴェルディ作曲のオペラ

 

ドン・カルロは、イタリアの作曲家であり、「オペラ王」の別名を持つヴェルディによって1866年に作曲されたオペラです。

ドン・カルロはパリ・オペラ座の依頼により作曲されたので、オリジナルはフランス語の歌詞なのですが、現在ではイタリア語版の方が多く上映されています。

ヴェルディは、サッカー応援などでよく演奏される「凱旋行進曲」が有名なアイーダ、「乾杯の歌」をよく耳にする椿姫など、実に30曲近いオペラを作曲しています。

まさに「オペラ王」と呼ぶにふさわしいですね!

引用元:Musik Engel Media

引用元:松竹チャンネル/SHOCHIKUch

 

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ドン・カルロ オペラのあらすじを紹介

 

ドン・カルロのオペラのあらすじを紹介します。

【主な登場人物(カッコ内は担当声域)】

  • ドン・カルロ(テノール)スペインの王子
  • フィリッポ2世(バス)スペイン国王・ドン・カルロの父
  • ロドリーゴ(バリトン)ポーザ侯爵・ドン・カルロの親友
  • 宗教裁判長(バス)カトリック教会の権力者
  • エリザベッタ(ソプラノ)フランスの王女
  • エボリ公女(メゾソプラノ)エリザベッタの女官

舞台は16世紀のスペイン。
宗教界における旧教カトリックと新教プロテスタントの対立、スペイン国内における政治権力と宗教権力の対立が色濃く見られる時代です。

ドン・カルロはエリザベッタと愛し合い婚約していましたが、エリザベッタはドン・カルロの父であるフィリッポ2世と政略結婚してしまいます。

エリザベッタへの想いが忘れられないドン・カルロを親友であるロドリーゴが励まし、恋心を忘れるためスペインの圧政に苦しむフランドル地方(プロテスタント教徒が多い)の救済に力を注ぐよう言います。

ドン・カルロはフィリッポ2世にフランドルの救済を願い出ますが聞き入れられず、反逆罪で捕えられてしまいます。

一方エリザベッタの女官であるエボリ公女はドン・カルロのことを密かに愛していました。
彼がまだエリザベッタのことを忘れられずにいることを知って嫉妬し、エリザベッタの宝石箱をこっそり盗み出し、フィリッポ2世に渡します。

またフィリッポ2世自身もエリザベッタから愛されていないことを嘆き、孤独を感じていました。
プロテスタントを異端とみなしている宗教裁判長からの圧力もあり、息子ドン・カルロの処遇にも悩みます。
エリザベッタが部屋に入ってきた時、彼女の宝石箱にドン・カルロの肖像画が入っていたことを指摘し激怒します。

ことの大きさに気づいたエボリ公女はエリザベッタに罪を告白し、ドン・カルロの命を救おうと脱獄の手助けをします。

ドン・カルロの親友であるロドリーゴもまた彼を救おうとしました。
フランドルの救済をドン・カルロに託し、身代わりになり暗殺されてしまいます。

昔の幸せを思い出しながらエリザベッタが修道院にいると、フランドルに密かに旅立つドン・カルロと落ち合います。

2人が永遠の別れを決意しているところにフィリッポ2世が現れ、ドン・カルロを捕えようとしますが、そこで先王カルロ5世の亡霊が現れ、ドン・カルロをどこかへと連れ去ってしまうのでした。

 

色んな人の思惑が様々と絡み合い、最終的に誰も幸せにならない、そしてまさかのオカルトオチという、ストーリーとしてはちょっと煮え切らない感も正直ありますね……。

 

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ドン・カルロ 鑑賞した感想

 

ドン・カルロのオペラは、現在以下の3つの版がよく上映されます。

  • フランス語初演版(全5幕)
  • 1884年イタリア語版(全4幕)
  • 1886年イタリア語版(全5幕)

5幕版では、ドン・カルロとエリザベッタとが出会い、愛を囁きあっている中でフィリッポ2世との結婚が知らされるまでの流れが第1幕として取り上げられています。

私が鑑賞したのは1884年イタリア語版で、全4幕の構成のものでした。
それでも結構な上映時間の長さを感じましたが、適宜休憩も挟まれたので最後まで楽しく鑑賞することができました。

男性の役が多いというのは1つドン・カルロというオペラの特徴と言えるかなと思います。

フィリッポ2世と宗教裁判長というバス同士のやり取りがあったり、ドン・カルロとロドリーゴの友情の2重唱といったからみがなかなか珍しく、楽しめました。

私個人的にはロドリーゴが暗殺されてしまうシーンで、友情の2重唱のテーマがだんだん弱弱しくなっていく様が泣けました……。

女性の役は少ないのですが、エリザベッタが夫を愛することはできないまでもドン・カルロとこっそり浮気をするでもなく、駆け落ちをするでもなくあくまでもスペイン王妃としてふるまう姿が凛としていて印象的でした。

 

ドン・カルロ、しょっちゅう上演されるオペラではないかなと思いますので、もし機会がありましたらぜひ鑑賞してみていただくとよいと思います!

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